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2018.05.25

目的意識と幸福感の関連性

目的意識を持って生きよう

「目的意識を持って生きよう」とか「一体将来何がやりたいの?」というセリフを聞いて、みなさんはどんな場面を思い浮かべるでしょうか。おそらく大半の人は年長者が若者に向かって問いかけている(もしくは問い詰めている?!)シーンを想像すると思います。
 
さて、これを読んでいるあなたはどうでしょうか?あなたが一体何歳でどんな立場にいるのか知る由もありませんが、あえておたずねします。
 
あなたの人生の目的は何ですか?言葉にできるでしょうか。

目的を持って生きるのは、年齢に関係なく重要

あなたの答えはどのようなものですか?明文化できた人ももちろんいるでしょう。一方で「今に満足してるから目的はないよ」とか、「もう夢を見る年ごろじゃないね」という人もいるでしょうか。あるいは、「今探しているところ」と答えたかもしれません。
 
目的を持って生きることは、若者、もしくは働き盛りの人にこそ求められることのように感じますが、最近の研究では、人生の目的を持つことが一生涯を通して重要であることが明らかになっています。
 
例えば、目的意識は幸福感、健康に深く関連していることや、目的を持つことが、自己の強みを社会に還元する意欲を高めるとの報告もあり、これらを踏まえると、目的意識の醸成は社会全体の重要な課題でもあることが見て取れます。

どんな目的が人生を豊かにするのか

では、どのような目的を抱くことが、私達の人生をより豊かなものにするのでしょうか。
 
複数の研究では、内的な願望(自己受容、所属、共同団体感情)より、外的なゴール(経済的な成功、社会的に認められること、外見)に焦点をあてた場合に、自尊心の低下、薬物への依存、人間関係の課題が見られることが明らかになっています。
 
また、ある調査によると、社会貢献に関わる目的を抱いていた大学生は、その後年齢を重ねると成長、誠実さ、次世代育成への関心等、ウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に良好な状態にあること)に関わる要素を備えていることが分かりました。
 
更に、最近米国で公表された1,200人を対象とした調査結果では、「より良い地域コミュニティをつくる」「他者の人生をより良いものにする」など、自己の利益を超えた目的を抱いている人は、「人生は喜びと幸せに満ちている」答えていることも明らかとなっています。
 
では、これら「内的な願望」「社会貢献に関わる目的」「自己の利益を超えた目的」を見出すにはどうすれば良いのでしょうか。次回は近年世界で注目されている「Ikiga(生きがい)」を取り上げ、私達の人生を豊かにする「人生の目的」について探っていきます。
 
 
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参照:
Jill Suttie, How to Find Your Purpose in Midlife, Greater Good Magazine (UC Berkeley), 2018年3月8日発行
https://greatergood.berkeley.edu/article/item/how_to_find_your_purpose_in_midlife
 
イローナ・ボニウェル, ポジティブ心理学が1冊でわかる本, 国書刊行会, 2015

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