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2020.07.08

「ウィズコロナ時代のHAPPINESS」パネルディスカッションレポート

本記事では、2020年5月5日に行われた「ウィズコロナ時代のHAPPINESS」のうち、前半のパネルディスカッションの様子をお届けします。モデレーター島田由香、パネリスト矢澤祐史、伊藤羊一の3名が、これからのHAPPINESSのあり方について語り合いました。
 
 
登壇者
 

島田 由香(しまだ ゆか)

株式会社YeeY代表取締役。ユニリーバジャパン取締役CHROとして、WAAを始めとする独自の人事施策を多数実行。同社はForbes WOMEN AWARDを3年連続受賞している。日本の人事部「HRアワード2016」企業人事部門 個人の部最優秀賞。

 

矢澤 祐史(やざわ ゆうじ)
株式会社YeeY共同創業者/取締役、ギブネスインターナショナル創業者。依存症治療共同体一般財団法人ワンネスグループを創設し、米国と比べて30年遅れていた日本の依存症回復を世界基準に引き上げる。国連に準ずる政府間組織コロンボプランGCCE日本理事。

 

伊藤 羊一(いとう よういち)
ヤフー株式会社コーポレートエバンジェリスト、Yahoo!アカデミア学長、株式会社ウェイウェイ代表取締役。グロービス経営大学院客員教授ほか、次世代のリーダーを育む活動にも従事する。『1分で話せ』『0 秒で動け』『未来を創るプレゼン』著者/共著者。

 
由香:今回のテーマは、「ウィズコロナ時代のHAPPINESS」。登壇をお願いするのは、今周りにHAPPINESSのあり方をbeingとdoingで体現している方がいい、と思っていました。そしてできれば、学問のみならず日々のことで多くの人に影響を与えている人、そして見ているだけで楽しい人がいい。そう考えたときにすぐに思い浮かんだのが、伊藤羊一さんでした。
 
ということで本日は、伊藤羊一さんをパネリストにお招きし、わたくし島田由香と、株式会社YeeYで共同代表を務める矢澤祐史の3名で意見交換をしていきたいと思います。
 

 
 

PERMAとは?

 
 
由香:
HAPPINESSの話をするときに欠かせないのが、PERMAについての理解です。PERMAというのは、ペンシルバニア大学のマーティン・セリグマン博士が研究の中で発見した、「継続的幸福を上げていく大切な5つの要素」のことなんですね。

由香:
このスライドの通り、Positive Emotions、Engagement、Positive Relationships、Meaning、Accomplishmentの頭文字をとってPERMAと呼んでいます。PERMAが高いと、ウェルビーイングが高い、ということですね。
 
これが全部そろっていたら最高だし、どれかひとつでもあれば良いのだけれど、要素が多い人の方が継続的幸福(=Well-being)は高いということがわかっています。
 
さあここでも、疑問がわいてきませんか?今回のテーマであるHAPPINESSと、いま出てきたWell-beingは何が違うんだろう?と。
 
HAPPINESSやHAPPYっていうのは、「ポジティブな感情」の種類のひとつなんですね。上がったり下がったりします。たとえば、「今日はハッピー!」とか「今日はハッピーじゃない!」とか。こういった、ある瞬間の感情もとても大切です。
 
対してWell-beingとは「状態」のこと。心身ともに健康で社会的にも良い状態であることが、Well-beingなんです。
 
そして、Well-beingが高いと、健康でいられたり、長寿になったり、素晴らしい人間関係が築けたり、仕事のパフォーマンスと創造性が向上したり……。そんな良いことがある。みなさんもこれ、ほしいと思いませんか?

由香:
羊一さんは最近、五十肩が治り、ダイエットをされて身体が軽くなったらしいですよね。ご自身のWell-beingが高くなり、パフォーマンスも上がったの?
 
羊一:
圧倒的に上がったね。さっき由香さんが言っていた通り、HAPPY / HAPPINESSっていうのは、上がったり下がったりするもの。一方でWell-beingは、回転のサイクルで状況が継続される。だから、身体が健康になることでいろんなことが上手くいって、スパイラル的に全体の調子が上がっていく。するとパフォーマンスも圧倒的に上がるんだよね。
 

Well-beingを高めるために必要なのは、「習慣にする」こと

由香:
在宅が基本の生活が続く中で、逆にWell-beingが下がっていると感じている人もいるかもしれません。「今Well-beingが下がってるんです」という人がいたら、羊一さんはどんなヒントをあげる?
 
羊一:
「習慣をつくる」ことがひとつヒントとしてありそうだよね。たとえば「散歩」は、頭の中がクリアになる。散歩じゃなくてもいいんだけど、お風呂にゆっくり入るとか、毎朝決まった時間に起きるとか毎日の習慣を作ることで、迷ったとき・不安になったときに「必ずそこに戻る」。それだけで心の健康は保たれるよね。
 
由香:
習慣っていうのは本当に大切だよね。毎日やるんだ!って無理するんじゃなくて、何が自分に合うのかを試して見つけていくことが大事だなと思う。自分に合うものだったら、自然と続いていくから。
 
羊一:
そうそう。習慣としてやると、気分の上下によってやったりやらなかったり、ということがなくなっていく。「時間になったからやる」というような状態まで日々の活動のベースが構築できると、その基礎の上に「自分自身」を作っていくことができるんだよね。
 
由香:
わたしは、「感謝する習慣」があるな。1日の終わりに、その日起きた出来事とか、関わった人に対してありがとうと思うようにしてる。最初は「よし、感謝しよう!」ってちょっとわざとらしいキッカケだとしても、寝る前の習慣になってしまうと、日中活動している中でも無意識に誰かに感謝するようになるんだよね。
 
羊一:
由香さんも祐史さんも僕も、「ポジティブな言葉を口に出す」っていう習慣もあるよね。そうするとだんだん、ネガティブなことが言えなくなってくる(笑)。もちろん人間だからテンションが下がったり、ネガティブな気持ちになったりすることもあるんだけど、ポジティブを習慣にしているうちに自然と物事を前向きに捉えられたりもするよね。
 
そういう意味でも、「習慣にする」ことはすごく大切だと思う。
 

PERMAと自分を照らし合わせて考える

由香:
祐史はどう?「今Well-beingが下がってるんです」という人がいたらどんなアドバイスをする?
 
祐史:
自分の今の状態とPERMAを照らし合わせて考えてみて、と言いたい。
 
ネジを締めるためにはそのサイズに合った工具が必要だし、モノの調子が悪くなったら適切な直し方があるよね。昔テレビの調子が悪いと叩いて直していたけど、それってやっぱり正しくはなくて(笑)。
 
人間も同じで、調子が悪いときはただ「元気にならなくちゃ」と思うんじゃなくて、PERMAのものさしに自分を当てはめて考えるのが大事。
 
自分が一番大切にしたい価値観はどれで、今足りていないのはどこなのか。それがわかれば、どうやって補っていこうか、という「適切な方法」が見えてくるんじゃないかな。
 
もうひとつ僕からのアドバイスは、「人とつながろう」ということ。
 
今の日本の状況を見ていると、在宅の時間が長くなったぶん、人とのつながりが希薄になってしまった人が多いんじゃないかなと思う。そうなってしまうと心が弱って、自分の人生の物語が描けなくなってしまうんだよね。孤独に負けて、命を絶ってしまう人さえいる。
 
そういうときは、ただ孤独に耐えるのではなくて、積極的に人とつながるようにしたらいいと思う。こんな状況だから元気が無かったり落ち込んでたりすることもあるけれど、いつだってハッピーでいなきゃいけないわけじゃない。人間らしさみたいなものも大事にしていい んじゃないかな。
 
由香:
なるほど。今の話を聞くと、祐史はPERMAの中でもR(Relationships)を大切にしているんだね。自分はとくにこれが大切だなってものを知っておくと強いよね。羊一さんは、この中だったら何が重要?
 
羊一:
僕は圧倒的にM(Meaning)だね。サイモン・シネックのTEDでの人気講義「Start with WHY」を毎日のように聞いていると、やっぱりbelief(信念)とかpurpose(目的)がいかに大切かを感じる。僕は意味や目的がはっきりするとハッピーなので、明確にM(Meaning)が大事。
 
由香:
わたしと祐史が一緒に株式会社YeeYを立ち上げたのも、M(Meaning)が共鳴したからだったよね。わたしたちが思わず「イェーイ!」となっちゃうことをやろうと。それはきっと、みんなの「イェーイ!」にもつながるよねって。
 
祐史:
そうだね。今はコロナの影響で選択肢が狭まってしまっているけれど、M(Meaning)に集中すると大切なことが見えてくるはず。自分の中にある溢れんばかりの何かとか、燃えたぎるものとか、ぶれずにドンとあるものとか。
 
自分の活動にきちんとM(Meaning)、意義を見いだせると、コロナに限らずどんな荒波がこようが腹をくくれるようになっているよね。
 
羊一:
コロナ禍の状況って、ある意味「めちゃくちゃ」なんだよね。初めて経験することなのだから、精神的につらくなるのも当然のこと。でもよく考えると、コロナに関係なくいつだって「自分の追求すべきもの」がわかっている人はやっぱり強い。
 
由香さんも以前からずっとPERMAを大切にしているし、僕も「Be the self」だと言い続けている。状況が変わっても、大切にしていることは何ら変わらないんだよね。
 

SPIREとは?

由香:
さて、ここまではPERMAをテーマにして話を進めてきました。ここからは、SPIREについてお話していこうと思います。
 
(今日のイベントの)後半で講演をしてくれるタル・ベン・シャハー博士は、『ハーバードの人生を変える授業』の著者としてもよく知られている方です。
 
彼は、HAPPINESSを「Wholeperson Well-Being」(全人類のWell-being)または「Wholebeing」(全体性)だと定義します。そしてその「Wholebeing」は、次の5つの要素からなっています。

SPIRITUAL、PHYSICAL、INTELECTUAL、RELATIONAL、EMOTIONALの頭文字を取って「SPIRE」と呼んでいるんですね。
 
5つ全部をみんなが持っているけれど、それぞれの強さは人によって違う。これもPERMAと同じように、「自分にとって何が一番パワフルか」を知っておくと良いですよね。
 
羊一さんはPERMAの観点だとM(Meaning)が大切だと言っていたけれど、Well-Being自体を具体的に掘り下げたこのSPIREでは、どれが重要?
 
羊一:
僕はS(Spiritual)かなあ。外からの刺激を感じ取るよりも、自分の内なる声を感じ取ることのほうが、全体性につながっていく感じがするんだよね。今この瞬間をマインドフルに楽しんでいるっていうことが重要なのかもしれない。
 
由香:
スピリチュアルって表現は、人によっては宗教とかオカルトみたいなイメージをもつこともあると思う。でもここでいうスピリチュアルは、「魂」とか「エネルギーが湧き上がってきちゃう」みたいな感覚のことなんだよね。
 
わたしたちは全員スピリチュアルな存在だから、羊一さんがいうように、自分の内に感覚を研ぎ澄ましていくことはすごく良いことなんじゃないかな。
 
由香:
祐史はどう?
 
祐史:
僕もS(Spiritual)だな。心の健康の定義って、すべての感情を感じることができて、それを適切な形で表現できることだと僕は思ってる。そのときに始めて自分の中から溢れんばかりにスピリットやエネルギーが湧いてきて、至福を感じられるんだよね。
 
僕は沖縄に住んでいて、これまでは月の半分は出張で家にいない生活だった。だけど、今回のコロナの影響で家にいる時間がすごく増えて、改めて自分と対話する機会ができたんだよね。
 
そうしたらE(emotional)の部分も高まっていって……。実をいうと今は、エネルギーが一日中あふれている状態(笑)。
 
由香:
なるほど。祐史は「至福」という言葉を使ってくれたけれど、その言葉から連想するイメージも人によって違うかもしれない。祐史の場合は、自分の中に溢れ出てくる熱とかエネルギーが至福なのかもね。
 
もしかすると、在宅になって祐史のように至福を感じ始めた人も増えているのかな?
 
羊一:
そう思う。なぜなら、何かと切り離されたことによって初めて「あーこれが大事だったんだな」と感じることもあるから。家にいることで「今までつながっていなかったものと新たにつながる」こともあるよね。そこから得られるものはきっとある。
 
祐史:
僕も今エネルギーに満たされていて、「自然な形で自分がここにある」っていう感覚があるんだよね。それが本当に幸せ。もしもコロナが落ち着いて今までのように外に出られる環境になっても、今のこの幸せな感覚は忘れないでいたいと思ってる。
 
由香:
私も同じように感じる。コロナの影響で外に出られなくなって、今までよりずっと家族と過ごす時間が増えたんだよね。家族とのつながりが増えた感覚。
 
そんな風に、今しかできないこと・いまだからこそ気づけることはきっとあると思う。ニューノーマルの中で見つけた自分の価値観を大切にしてほしいと、心から思いますね。
 

不可逆な未来にわたしたちができること

羊一:
僕、今回のコロナの状況は、こういうことなのかなと思っていたんだよね。

羊一:
不景気のときも同じようなことが起きるんだけど、感染期があって、止血期に入って、ここからターンアラウンドして回復期に向かっていくと。
 
けれど、今回のことに関しては「なんか違うな」という違和感がずっとある。何が違うんだろう……と考えると、実は今、こういうことが起きているんじゃないかなと気づいた。

羊一:
ハンコがなくなるとか、学校に通わずにオンラインで授業を受けられるとか、テレワークが進むとか、「いつか順々にそうなっていくだろう」と思っていたことが、いきなりやってきた。
 
だから世の中が突然ものすごく変わったように感じるし、「不可逆的な未来がやってくる」なんていう風にも言われる。だけどよく考えたら、変わるものもあれば変わらないものもあるんだよね。そして、環境が変わっても、人間が人間であることは絶対に変わらない。
 
環境が変わっていく中で自分の価値観を改めて考えてみると、DoingとBeingでそれぞれ大切にしているものがあるなと思ったんだよね。
 
まずDoingはこの3つ。

羊一:
Just Do it、とにかくやる。For All Mankind、すべての人間のためにやる。With Speed、スピードをもってやる。

そしてBeingは、Free、Flat、Funだなあと。Freeは、すべての「あたりまえ」や「常識」から開放されること。Flatは、こういうところを全部フラットにしていくこと。

羊一:
今までは「集中」が唯一の価値で、みんなそこを目指してたんだよね。けれど今、あたらしい「拡散」という価値が生まれている。
 
下の3つの項目についてはもともと存在していたんだけど、これまではリアルで会うこととか、オフィスに集まることとか、経済が成長していくことが重視されてきた。右側の内容は「代替手段」として考えられてきていたわけ。
 
それが、今回のコロナを機に、「なにを選んでも良い」という、フラットな世の中になってきているのかなと思う。
 
Funは、「さあ、その中でどれを選びますか」ということなんだよね。いろいろ選べるけれど、その中であなたが楽しさを感じたりワクワクしたりすることはなに?と。自分の意志でFunを選ぶことが、Lead the self(自立したい個人として生きること)とつながっていく。
 
今回こんな風に「自分が大切にしたいこと」は何か、と考えて気づいたのは、同じことを、コロナの状況になる前からずっと言ってきているなあ、ということ。つまり、外からの刺激が変わっても、自分は自分が目指していた姿を追求していくしかないんだ、ということがわかる。
 
だから、今外側からたくさんの変化があって辛い人も、まずは自分の心の声を聴いて、Lead the selfを目指すこと。あなた自身の信念とか目的に立ち返って、beforeコロナのときにやってきたことを変わらず追求していくことが、HAPPINESSやWell-beingのために重要 なんじゃないかなと思う。

由香:
深いね。もともと自分の中にあったもの、本当に大切にしていることを追求することで、心の平静やハピネスは戻ってくるということだよね。
 
誤解を恐れずに言うと、今回のコロナは、それに気が付くためのプレゼントなのかもしれない。災害や疫病が起こるのはもちろん辛くて大変なことなのだけれど、今起きていることをどう捉えて次の一歩に進むかってところに尽きるんだよね。
 
羊一:
結局、人間は未来へ受かって歩まなきゃいけない。だから今起きていることも糧として進んでいかなきゃいけないんだよね。そのときに何をエンジンにできるかというとやっぱり、beforeコロナで自分が大切にしていたもの。外的な環境が変わっても、それだけは絶対に変わらないから。
 

自分は何によってエネルギーが湧くのかを心得ておく

由香:
「考えるだけでエネルギーが湧く」ってものは、きっとすべての人にあると思う。コロナの期間はそれに気づくチャンスなのかもしれないよね。羊一さんは何について考えているときエネルギーが湧く?
 
羊一:
僕の場合は教育について考えていると、なんとも言えないエネルギーが湧く。これからの子どもたちのことを考えると頑張らなきゃと力が入るし、教育に対する思いは譲れないんだなと。
 
由香:
祐史はこの期間に、「このことを考えたらエネルギーが湧いた」みたいな体験はあった?
 
祐史:
僕はやっぱり、自分と対話したときにエネルギーが湧いて至福を感じるなあ。
 
僕は世の中の動きより少しだけ早い、1月末から自粛をスタートしていたんだよね。そのことに対して、はじめは「行動を制限されている」感覚があって、正直辛い期間もあった。
 
それを脱したくて、試しに寝る前に「今まで僕はよくやってきたよな」とか、「このままで十分だよな」って言い聞かせるようにしてみたんだよね。そしたら、不思議とスッと眠れるようになって。
 
これってきっと、普段無意識的に言葉で自分を罰してるということなんだろうなと気づいた。頑張り切れない自分に対して「みっともない」とか「恥ずかしい」とか思ってしまってたんだよね。
 
人生って言葉でできているから、自分が自分に何を語りかけるかによって、身体が委縮したり、逆に力がみなぎってきたりもする。だから、自分を認めたり愛したりすることはすごく大切で、今回の自粛の時間は僕にとって「自分を大切にする」ための時間にもなったんだよね。
 
コロナに関係なく、普段から自分の声に耳を傾けていない人はきっととても多い。だから、僕がやったみたいに、寝る前に時間を作って自分とつながって、自分の声を聴いて、自分を信じる、みたいなことが大切なんじゃないかなと思う。
 
いつもハッピーでいる必要もないし、いつも強くて素晴らしい人間でいる必要もない。弱さも含めた「そのままの自分」を好奇心を持って見つめて、自分の声に耳を澄ませて対話すると、エネルギーは湧き上がってくる。
 
由香ちゃんはどう?
 
由香:
わたしは、誰かが「わたしはこのままで大丈夫なんだ」って思えるきっかけをつくることにエネルギーを感じる。
 
さっき祐史も言ってくれたように、「自分なんて」とか「自分の強みがわからないんです」って人って結構いるんだよね。そういう人に、無意識のネガティブな暗示から開放されてほしいと思ってる。自分が今すでにもっているものに気づいて「わたしはこれで良いんだ」って、感じられるようになってほしい。そのきっかけを作ることを考えると、エネルギーが湧くかな。
 

いつだって、自分は自分のプロである

由香:
そろそろこのパネルディスカッションも終わりに近づいてきました。羊一さんと祐史の話を聞いて勉強になったことが私自身たくさんあって、とても嬉しく思っています。
 
そしてわたしから最後に伝えたいことがひとつだけ。
 
今回、「自分とつながる」「自分の価値観を見つける」という表現が何度も出てきたと思うのだけれど、自分とのつながりかたが分からない人もいるのかもしれないなと。そんなときは「1万時間の法則」を思い出してほしいんです。
 
何事も、1万時間取り組めばプロになれるっていうリサーチがあるんですよね。これは、1日に1時間だけその物事に取り組むと、プロになるまで27年かかるという計算です。
 
では、仮に1日24時間ずっと取り組んでいたらどのくらいで1万時間になるか?計算すると、1年と2ヶ月とちょっとでプロになれる。
 
……気づきましたか?自分は、自分を24時間やっているんですよね。つまり、すでに「あなたはあなたのプロである」ということ。プロである自分に対して、「自分はちゃんとできていない」っていうのって、すごく失礼なことだと思います。
 
自分のことを一番わかっているはずの自分が、無意識に自分のことを否定しているとしたら、そのこと自体がすごくもったいない。 だから、「自分とつながるなんてよくわからない」と思うのではなく、まずは自分を信じる。そうすると素晴らしいところがたくさん見つかります。
 
そう改めて気づかせてくれた羊一さんと祐史には本当に感謝です。もちろん、皆さんとの出会いにも。
 
本日は本当にありがとうございました!
 
(書き手:中野 里穂)
 
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