#Positive Psychology

感謝することと幸福感や成功との結びつきについて、自己啓発関連の書籍などで読んだことがある人は多いでしょう。
 
では実際に、感謝にはどのような利点があるのでしょうか。

Robert Emmonsの”感謝日記”調査と効能

カリフォルニア大学デイビス校の心理学者Robert Emmonsは、「感謝日記(感謝の気持ちを日々綴る)」などの行為を継続的に行っている8歳から80歳までの1,000人以上を対象に調査を行い、それらの人々に以下のような変容が見られたことを報告しています。

[身体的効能]
・免疫力アップ
・痛みの軽減
・血圧の低下
・より運動し、健康管理に努める
・よく眠り、目覚めが良い
[心理的効能]
・ポジティブ感情の高まり
・より注意深くなり、覚醒する
・より楽しさや嬉しさを感じる
・楽天性や幸福感の高まり
[社会的効能]
・より他者を助け、寛容で、慈悲深くなる
・より他者の過ちに寛大になる
・より外交的になる
・孤立感や孤独感の軽減

このような変容の背景にある心の仕組み

では、このような変容はなぜ生まれるのでしょう。Emmons博士はこれらの背景にある心の仕組みとして以下の4点を挙げています
 
①感謝することで「今」から得られる喜びを最大化できる
新しい洋服、新しい車、以前よりも高い収入にすぐに慣れてしまうように。喜びや嬉しさなどのポジティブ感情も、あっという間に消え去り、時にはまるで何も起こらなかったかのように、私達はすぐに「これまでの自分」に戻ってしまいます。しかし、ポジティブ感情に順応するのではなく、一つ一つをたたえることで、喜びが増大し、人生を傍観するのではなく、心の底から味わうことができ、主体的に生きることができるようになります。
 
②感謝が有害でネガティブな感情を排除する
嫉妬、恨み、後悔などは私達の幸福感を損ないます。しかし、感謝の気持ちとそれらのネガティブ感情は対極にあり、共存することができないため、感謝の気持ちに意識を集中することでそれらを排除することができます。ある調査では、感謝の気持ちが、鬱症状の頻度や長さ抑えることが明らかになっています。
 
③感謝する人はストレスに強い
多くの研究によって、感謝の態度を持つ人は、トラウマ、逆境、苦しみからの回復がそうでない人より早いことが明らかになっています。Emmons博士はこの理由として、感謝の気持ちが、ネガティブな出来事に対する捉え方に影響を与え、ストレスや不安から身を守るように働くのではないかと説明しています。
 
④感謝する人は自尊心が高い
感謝することで、これまでの自分に貢献してくれた人々や、今の自分を支える人々のネットワークに気づきます。それらに目を向けることで、他者が感じる自己の持つ価値に気づくことができ、自分自身に対する見方を良い方向へ変えることができ、結果自尊心が高まります。
 
感謝の気持ちは、他者に伝えることで効果を更に高めることができます。
 
次回は効果的な感謝の伝え方についてご紹介します。

 
——————–

参照:Robert Emmons “Why Gratitude Is Good” Greater Good Magazine(カリフォルニア大学バークレー校Greater Good Science Center発行), 2010年11月16日掲載 
https://greatergood.berkeley.edu/article/item/why_gratitude_is_good/

SHARE